一  体

互いに礼をする。捕方立ち横に向になり八寸の身也。眼色顔形惣体を荒くせず如何にも柔和にして胸を落とし丹田を持ち虚体となりて立居る。受方横の方より腹之所と脊の所の上帯を持て横の方へ引く。捕り方引くに乗り込み左の手にて受方の帯の通り後より腹へ廻し右の手を受方の頭の上より上げて右の足を折り、左の足を立て腹気と空機にて後ろへ落す。投放し留なし。残心迄也。残心は八方残心とて天地一ばいの残心也。敵一人に気を留めず此類を譬えて万字の形共又面向して之を省みざる玉共云う。

 本象は受方より一足引く計り也。捕方左の手にて後ろの上帯横腹の所にて持つ外は替りなし。当流は十四の象を此体一つを捕る心也。故跡の形をも又無段迄も気位類共皆是に順る故に跡は銘々記さず略す。

 稽古始には此体一つを捕る事古礼也。


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